【重要】子育てで大切な子どもの正しい叱り方

親の役割として一番大切なのは,子どもに愛情を注ぐことです。
同じくらい大切なことに「叱る」ことが挙げられます。
愛情を注ぐことと,叱ることは相反するものではありません。
子どもが健全な大人へと成長するために,必要なときは愛情と責任をもって子どもを叱らなければなりません。

正しい子どもの叱り方

正しい叱り方

子どもの叱り方のポイントを具体的に紹介します。

その前に,大事な原則について確認しておきます。

子どもの叱り方の大原則
・「子どもを正しく成長させたい」という愛情をもって叱る。
・何がどういけないのかを親がきちんと理解してから叱る。

この原則が守られなければ,叱ったとしても子どもにはきちんと響きません。
愛情をもたずに叱るのは単なる虐待となりかねません。
育児書や先輩保護者からどんなに優れた叱り方を学んだとしても,内容を鵜呑みにして意味も分からず叱るのは危険なことです。

なぜ,その叱り方がいけないのか,もしくはなぜその叱り方が良いのか,きちんと自分なりの根拠をもって叱ってください。

「叱る」行為は,人間の心の成長に関わる非常に大切な行為です。
過剰にしすぎると,子どもの精神に傷跡を残します。
足りなすぎると,善悪の区別がつかない人に育ってしまいかねません。

正しく叱るためのポイント9点

感情的になってはいけない

子どもに言うことを聞かせ,従わせようとむきになり,感情を爆発させて叱る人がいます。
感情を爆発させて怒る様子はまるでケンカです。もはや「叱り」ではありません。
百歩譲って,子どもが命に関わる危険な行為や,人の体や心を傷つける行為をした際は,「怒っている」という感情をわざと見せながら叱る必要があります。
しかし,通常時に感情をむきだしにして怒る行為は,子どもに対し,多くの間違った教育を刷り込んでいる状態です。
親も人間であり,感情的に叱ってしまうときはたまにはあることです。
しかし,常に感情的に叱ってしまうのは大問題です。今すぐやめましょう。
こうした親の大半は,叱った後に後悔をするのですが,また同じことを繰り返してしまうことがあります。

感情的な「叱り方」がグレードアップすると「恫喝」や「体罰」へと姿を変えます。
こうなると,もはや立派な虐待です。
幼児の頃に,恫喝や体罰を受けながら育った子どもは,脳の一部が委縮してしまうことがわかっています。
もし,あなたの身近に恫喝や体罰を日常的に行っている親がいる場合は児童相談所に通報してください。自分の子どもではなくとも,子どもは社会全体で見守っていくことが必要です。
もし,あなたが日常的に感情をむきだしにして子どもを叱っているとしたら,根本的な意識を改革するか,心の不安定さを改善しなければなりません。
始終感情的に叱る行為は子どもの明るい未来を削りとる行為であることを認識しましょう。

存在を否定しない

あなたは自分が子どものころに親に怒られていたときの気持ちを少しでも覚えていますか。
「なんでおればっかり」とか
「私のことなんて嫌いなんでしょう?」とか
「機嫌が悪くて八つ当たりしてるんだろう!」と感じていたはずです。
子どもの心はまだまだ未熟です。
親が子どもの成長のために叱っているとは考えません。
できることなら「あなたのことは愛しているが,悪いことをしたからその行為を叱っているのだよ。」ということが伝わると子どもが「叱り」を受け止めやすくなります。
ずばり,私は自分の子どもに「あなたのことは大好きだけど,悪いことをしたから叱るんだよ。」と伝えていました。

存在を否定する,言ってはいけない典型的な叱り文句があります。

「だからおまえはだめなんだよ」
「おまえは最低だよ」
「もうお前には期待しない」
「なんでこんなこともできないの?」

しかし,こんなひどいセリフを我が子に吐く人はいるのでしょうか。
私はドラマやコミックの中でしか聞いたことがありません。

子どもや周囲の人の顔色をうかがってはいけない

叱るときは,あくまで子どものしでかした内容に相応しい叱り方をしましょう。
子どもが機嫌の悪い時や,スーパーの中,公園で仲の良い他の家族がいる前等、叱りづらい状況があります。
周囲に配慮するのはいいのですが,叱り方を変えてはいけません。
子どもはそうした親の態度をよく見ています。
同じことをしても,周囲の環境や,子どもの機嫌によって叱りかたを変えてしまうようなら,その声は響きません。
逆に,どんなときにも毅然と叱ることができれば,子どものために叱っているということがいつかきちんと伝わります。

子どもの目線を理解する

叱る目的は,子どもに叱った内容を理解させ,間違った行為を反省させることです。
「きちんと叱ることは叱ったから、はい,成功!」とはなりません。
叱ったことが,子どもの心に響いていなければ0点です。(100点を目指す必要はありませんが)
心に響かせるためには,未熟でわがままで自分勝手な子どもの目線を理解しながら叱る必要があります。
完全な上から目線や命令口調で,叱る内容を箇条書きで示すように話すのなら,子どもにとっては外国語でまくしたてられているのに近い状態です。
「これやっちゃだめ」「あれやめろ」と単純に注意するだけでよい場合ももちろん多々あるのですが,ここぞというときには,きちんと「なぜいけないのか」という理屈を簡潔に説明しながら叱るようにしましょう。
よく言われる「子どもの目線に立って叱りましょう。」を勘違いしてしまう人がいます。
子どもと同じ土俵に立つのはよいのですが,あなたが子どもと戦ってはいけません。
あなたはあくまで行司であり,良し悪しを裁かなくてはいけません。

言い訳上等!

子どもは叱られると必ずといっていい程言い訳をしてきます。
あなたの子どもが言い訳をしないようなら,あなたに対し委縮しているのかもしれません。
言い訳をされると,ついかちんときて「感情的モード」にスイッチが入る親がいます。
そもそも子どもという存在は言い訳をする生き物です。
言い訳をすることで,自分の意見を正しく主張する力を身に着けていきます。
親は叱る前から,子どもがどういう言い訳をするのか予想して叱る冷静さが必要です。
感情的になってしまう人は,とにかく「いけない行為を制圧する」ことしか目に入っていません。
子どもを成長させるという第一目的が見えていないのです。
子どもの言い訳なんて,たかが知れています。
大人の正論には勝てません。
言い訳をしたことを叱るのではなく,自分勝手な言い分になっているところを指摘しましょう。
もし,あなたが子どもの言い訳に簡単に負けてしまうようなら,子育てに関わらず,人としていろいろと学び直す必要があるでしょう。
いつも子どもの言い訳に付き合う必要はありません。
必要に応じ,ときにはじっくり子どもの言い訳に付き合ってみてください。
まるで討論会を楽しむように。
そのうち,正しい理屈でないと通用しないことを理解し,あなたをびっくりさせるぐらいの主張をしてくる日が訪れるかもしれません。

反省しているのに叱ってはいけない

既に自分がしでかしたことを反省している場合があります。
泣いているかどうかは問題ではなく,表情をよく見ればそれはわかります。
「叱る」行為によって子どもを追い詰めてはいけません。
反省は心に安心と余裕がなければなしえない行為なのです。
既に反省していて落ち込んでいるようなら,むしろ慰めの言葉をかけるなどしてフォローしましょう。

誰かと比較して叱らない

子どもは兄弟や友達と比較されて叱られるのをすごく嫌がります。
この叱り方をして,反省した子どもはどれくらいいるのでしょうか。
やめておきましょう。

具体的に叱る

何がどういけないのかを,わかりやすく叱りましょう。
叱っている際,他の出来事を蒸し返したり,余計な精神論を長々と話すのは逆効果です。

叱るときは丁寧な言葉を使う

基本的にはていねいな言葉遣いをしましょう。
この方法の利点は以下のように二点あります。
1つ目は,叱っている自身が冷静になれること。
2つ目は,子どもが,「怒りをぶつけられている」のではなく,「叱られている」と理解できること。です。
「てめえ,馬鹿野郎!」なんていう言葉遣いをするようなら,それは「叱り」ではなく「怒り」です。汚い言葉ほど,子どもはすぐに真似をします。
*もちろんふざけながら「こらー!ふざけてんなーボケー!」なんていうときはあります。それとは違いますよ。

まとめ

子どもの正しい叱り方のポイントを9つに絞って紹介しました。
どれも大切なことばかりです。
しかし,叱り方のポイントを多く知るよりも,冒頭に挙げた「叱り方の原則」をきちんと理解することの方が大切です。

        叱り方の原則
・「子どもを正しく成長させたい」という愛情をもって叱る。
・何がどういけないのかを親がきちんと理解してから叱る。

この原則さえきちんと守れば,ポイントに書いたようなことは,子育てをする過程で自然と身についてくると思います。

子どもは本来なかなか言うことを聞かないものです。
逆に簡単に言うことを聞く子は,自我がきちんと発達しているのでしょうか。
将来が心配です。

子どもは親のことを誰よりもよく観察しています。
叱ったときに,最終的にきちんと子どもが叱りを受け止めるかどうかは,普段の親の接し方にかかっています。
子どもの様子に関心をもち,対話しましょう。そして一緒に遊びましょう。
また,親が間違った場合は子どもに対してきちんと謝りましょう。
反省できない親の姿を見て育てば,もちろん反省できない子どもが育ちます。

子どもを正しく叱ることができてこそ,一人前の親になれるのではないでしょうか。
ぜひ,大事な大事なお子さんのかけがえのない未来を,正しく導いてください。

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