自己肯定感は基本的には幼少の頃に養われるものです。
主に6歳位までに,親から愛情をたくさいもらい認められることで,この世界の中で自分らしく生きてもよいという感覚が心の奥底に刻まれます。
自己肯定感が不足したまま大人になった人の中には,自分の存在に自信を持てずに生きづらさを感じている人がいます。
自己肯定感の低さを大人になってからでもなんとかしてみたいですよね。
そこで,自己肯定感の低い人でも安心して自分らしく生きていける方法を考えてみます。
自己肯定感の低い人の生きづらさを解消してみよう
自己肯定感を高めるのではなく,合格点を下げる
大人になってから自己肯定感を大きく高めるのは大変なことです。
そこで,いっそ高めるのはあきらめてしまい,現在の自分のありのままの状態を許しましょうということです。
自己肯定感の低い人は自分の存在を否定しがちです。
自分に関する理想の合格点を設定しており,到達しないと「自分はだめだ」と考えてしまいます。
失敗をするとなかなか前向きになれずに気持ちが落ちてしまいます。
合格点はクリアーできたとしても,そのたびに上がっていきます。
80点をクリアーしたら,85点,その次は90点と。
「それって人として順調に成長しているのでは?」
確かに成長しています。
「技能」「知識」「何かの試験」について点数が増していくのはがんばった結果による成長です。
楽しみながら点数アップを図り,大いにがんばっていいでしょう。
しかし「自分の存在自体」に点数をつけると,仮に100点を取ろうが満足することはありません。
「自分の存在」に点数をつけるのは自分を追い詰めるだけです。
存在に点数をつけるのはやめましょう。
やめましょうと言われてもやめられないのが自己肯定感の低い人です。
ならば基準をめっちゃ下げてしまいましょう。
・心臓がきちんと動いているだけでラッキー
・今現在大きな病気を抱えていないだけでラッキー
・今現在大事件にまきこまれていないだけでラッキー
・警察に捕まっていないだけでラッキー!
・99%の人から嫌われても,1%の人から受け入れられればラッキー
・屋根がある場所で,ご飯が食べられ,寝られるなんてラッキー
ふざけていません。
大真面目です。
例えば,私は水を飲む際「砂漠で何日も水を飲めずに苦しんでいた」と想像するようにしています。
そうすると水を飲むだけで幸せな気持ちを味わうことができるからです。
「そんなアホなことできるかよ」
アホみたいなことですが,何度も自分に言い聞かせると効果がありますよ。
だって,本当に生物はこの世に生を受け,生きているだけで奇跡的なことなんですから。
*宗教的な意味は全くありません。
他人と比べない・・比べてしまうならこの方法で!
自己肯定感の低い人は他人と自分を常に比べて自信をなくしてしまう傾向がみられます。
「他人と比べるのはやめましょう!」
って,それができたら苦労しないですよね。
ついつい人と比べてしまう,その習慣はなかなかなくせません。
できればあまり他人と比べないような姿勢が身につくとよいのですが。
どうしても比べてしまうなら,いっそこうしてみましょう。
ちょっと不謹慎な面もありますが,四の五の言っていられません。
道徳的な観点からつっこまれると言い返せないので,あまり詳しくは書きません。
世の中にはダメな人達がたくさんいます。
下には下がいます。(弱い立場の人のことではありませんよ。)
他人でなくとも,自分史上最低最悪の時期と比べてみてもよいでしょう。
どうせ比べるなら,頂点と比べてみましょうよ。
偉人・天才・大富豪・ノーベル賞受賞者・オリンピック金メダル授与者!
今まで身近な人と自分を比べてくよくよしていたことが馬鹿らしくなりますよ。
資産が5兆円ある人と自分を比べてまさかくよくよしませんよね。
もし,ここで本気で悔しいと感じた人は,自己肯定感は低くありません。
頂点の人と比べると,それらの人々の生き方や成し遂げたこと,積極性などを学ぶいい機会にもなります。
比べるならぜひ大物と比べてみてください。
スポーツで健康な身体を維持する
「健全な精神は健全な肉体に宿る」
これは誤訳から生じた名言らしいのですが,実に的を射ています。
精神と肉体は相関関係が強く,安定した心を手に入れるために手っ取り早い方法は定期的に運動をすることです。
大きな大会を目指してストイックに取り組むのではなく,エンジョイしながら定期的に長続きするような活動がおすすめです。
自分のペースでできる趣味を楽しむ
何か自分の好きなことに没頭できる時間が作れるといいですね。
そうした時間は,嫌なことを忘れられたり,他人と自分を比べたりしなくて過ごせる貴重な時間となります。
今現在興味のあることがない!という方。
ラッキーですね。
世の中に数えきれないくらい存在する楽しい活動を片っ端から試すことができます。
選び放題ですよ。
自分を認めてくれる人と付き合う
友人や恋人などプライベートで付き合う人間は選ぶことができます。
万人から好かれようなんて思わないでください。
逆にあなたも万人を好きになろうなんて考えてはいけません。
嫌いな人を理由なく差別するのはいけないことですが,「好き」「嫌い」を感じるのは本人の自由です。
自己肯定感の低い人は,自分のことを見下したり,ぞんざいに扱ったりしてくる人とお付き合いしてしまうことがあります。
見下される方が,期待されるより楽だと感じるのでしょうか。
ちょっとよくわかりませんが。
あなたをバカにしてきたり,ひどい扱いをしたりしてくる人には近づいてはいけません。
そういう輩には大いに嫌われてください・・というより関わってはいけません。
あなたは他人のためではなく,自分のために生きています
他人の顔色をうかがったり,他人に迷惑をかけたりしないよう気をつけることで苦しくなっていませんか。
大丈夫です。
全ての人が他人の顔色をうかがい,迷惑をかけないよう気をつけて生きています。
(やばい人以外は)
自己肯定感の低い人は,その程度が大きすぎるんです。
もうあきらめてください。
人はどんなに気を付けても何かしら人に迷惑をかけているし,世話になっています。
あなただって迷惑をかけられているし,何かの役に立っています。
これからも迷惑をかけながら,自分のわがままや自分勝手とも上手に付き合いながら生きていきましょう。
一度きりの人生です。
他人に気を使いながら心をすり減らす生き方をし続けたとします。
90歳で亡くなる直前,あなたは絶対こう思うはずです。
「他人にどう思われるかなんて,どうでもいい問題だった」
時すでに遅しとなる前に,少しずつでもいいので自分のために生きる考え方へとシフトさせていきましょう。
長所と短所を書き出す
人から言われて気づいた点や自分で理解している点について書き出してみましょう。
長所について
長所についてはささいなことでもいいのでなるべく多く書き出してみましょう。
自己肯定感を高めるためには,自分自身のことをよく理解し自分を受け入れる必要があります。
蚊やゴキブリだって生態系を維持するため重要な役割を果たしています。大嫌いな蚊だっていなくなれば環境に悪影響をもたらすんです。(この例えに怒んないでね!)
自分のいいところをよく理解し,「わたしはえらい!」と自分で自分を認めてあげてください。
自分の頭の中に「ほめ担当者」を常駐させ,労基法を守らず24時間体制で働かせちゃってください。残業代も支払う必要はありません。
そしてことあるごとに自分をほめてほめてほめまくらせましょう。
自分でほめるなら,無料でいつ何時でも,好きなように好きな所をほめることができますよ。
「自分を責める」から「自分をほめる」へと意識してシフトチェンジしてください。
これも一見アホみたいな行為に見えますが,習慣にすればきっとできるようになりますし,効果がありますよ。
私はこれを実践しています。
今では他人からほめられるより,自分にほめられるほうが満足するようになりました。
短所について
短所は,「直さなければならないこと」「直したいこと」「直す必要のないこと」「直せないこと」に切り分けましょう。
「直せないこと」は誰にでもあります。
だめな自分を受け入れてください。
これって,一見かっこよく聞こえるかもしれませんが,ようは,「あきらめろ!」ということです。
欠点のない人なんていません。
なんでもできる人なんていません。
めちゃくちゃ優雅に見えているあの人だって,げっぷもすれば,おならもでます。
(話がずれましたね。)
「あなたは欠点のたくさんある人です。できないこともたくさんあります。あきらめてください。
欠点があるゆえに人として素敵なんですよ。」
欠点があったって,どうだっていうんですか。
楽しく生きていくために何の問題もありません。
スモールステップで自信をつける
成功体験,勝利体験,達成体験は自己肯定感を確実に高めてくれます。
ただし,これらの体験をするためには「努力」や「勝負」,「挑戦」が必要となります。
そうすると必然的に失敗する可能性だって生まれます。
もちろん失敗をしても全くかまわないのですが,自己肯定感の低い人は失敗をすると気持ちが引きこもりがちです。
まずは余裕で成功できること,圧勝できるもの,少しのがんばりで達成できるものに取り組んでみましょう。小さな成功を積み重ね,少しずつ自己肯定感を高めましょう。
欲張るとろくなことがありません。
まとめ
私の大切な知り合いで自己肯定感の低さから苦しんでいる人がいます。
他人と自分を比べて劣等感を感じたり,ちょっとした失敗からふさぎ込んでしまったりすることがあります。
その人の両親は,仲が悪く3歳の頃に父親が家を去りました。
母は夜のお店で働くようになり,精神的な不安定さを抱えていました。
そのため幼少期に親にかまってもらったり,ほめてもらったりした記憶があまりありません。
そんな成育環境が自己肯定感の低さにつながっているようです。
本人は過剰に他人に気を使ってしまいます。
いつも他人のことを気にかけ,自分の気持ちを後回しにしてしまいます。
私は,その人のよいところや優しいところをいつもほめているのですが,なかなか効果がありません。
そこで,その人のことも含め,自己肯定感の低い人が少しでもありのままの自分に安心して生きてもらいたいという思いで,この記事を書いてみました。
参考にしてもらえれば幸いです。