癒すことに特化した話の聞き方

人は日常の中で悩んだり,心が不安定になったりすることがありますよね。

家族や友人が困っていたとしたら,何とかして助けてあげたいものです。

困っていることの内容が,考えることによって解決できることなら,その解決方法を一緒に考えたり,手を貸してあげたりすることができます。

しかし,一緒に住んでいなかったり,同じ職場にいなかったりすると,なかなか手を貸すことができません。
また,そもそも解決できないような問題を抱えている場合もあります。

そこで,ここでは問題の解決を目的とせず,単純に相手の心を癒すことを目的とした話の聞き方を紹介します。

癒しを目的とした話の聞き方 9つのポイント

癒す聞き方

最後まで話を聞く

一番大切なことです。
話の腰を折らずに,相手が話し終えるまで聞きましょう。
これを守るだけで,相手の心はかなりすっきりします。

話を聞く姿勢を示す

・相手の顔を見る。
・相槌を打つ。
・柔らかい表情を見せる。
相手に安心感を与えたうえで,聞きましょう。
「話しやすい雰囲気」は,あなたの聞く姿勢によって作られます。

指導しない

つい「自分ならこうする」とか,「こうした方がよい」,「何で〇〇しないの!」と言いたくなりますよね。癒しを目的として話を聞く場合はやめておきましょう。
相手はあなたのアドバイスを求めてはいないので,ストレスを与えることになります。

心の声を聞く

話の裏側に,何らかの動機が隠れている場合があります。

例)仕事で失敗をして精神的にダメージを抱えた後,芸能人や政治などを批判することにより自己の正当性を他の面で確認することにより,心の安定を図ろうとする場合があります。
例)特定の誰かの愚痴を延々と言う場合,実はその人のことが好きなのだが,なかなか相手にされないため不満を他の形に置き換えて言うケースがあります。

さまざまな動機が隠れているので,見抜くのはなかなか難しいでしょう。
会話の内容を事務的に処理するのではなく,言外に隠れている感情をくみ取ることができると,より相手を癒すことができます。

相手のペースを守る

マラソンに例えてみます。
走るペースは人それぞれです。
その日の体調によっては,ペース配分が普段より遅いときもあるでしょう。
一緒に走るとしたら相手の走るペースに寄り添い,並走するのが一番相手にストレスをかけません。
聞くときも同じです。
相手のペースで話をさせ,それに寄り添って聞くことが一番よい方法です。
よく,相槌の打ち方がワンテンポ早い人がいます。
このワンテンポの差が,話し手に非常に大きなストレスを与えます。
話をせかすのはやめましょう。

共感して聞く(ふりでもよい)

共感されると誰もが単純にうれしいと感じます。
心の問題を抱えている人はなおさらうれしく感じるはずです。
ですが,内容に共感できない場合も多々あるでしょう。
そんなときは嘘をつく必要はありません。

「(あくまであなたは)そう考えるんだね。なるほどね。」
「(あなたがそう考えているのは)わかる。わかる。(私は違うけどね。)」

あなたの本心は隅に置いておき,共感するという大事な役割を果たしましょう。
その他にも
「大変だったね。」「辛かったね。」「がんばったね。」「それは仕方ないよ。」といった言葉も多用すると,癒しを与えることができます。

否定しない

否定されると,安心して話をすることができません。
否定は大きなストレスとなります。
相手の話を長時間ていねいに聞いたとしても,最後に否定してしまえば癒す目的は達成できません。

話の背景を理解して聞く

話の中の登場人物や,場所,など基本的な設定を理解しましょう。
より相手の話を真剣に聞いているという印象を与えることができます。
また,聞いているあなたも話の内容を理解しやすくなります。
よくわかりもしないのに,「なるほど」「はいはい」と簡単に理解した体で聞いていると,その姿勢は見抜かれてしまいます。その結果相手の心を癒すことはできません。

褒めポイントを探す

話の節々で,ちょっとした「褒め」を差し込めると,癒しの度合いがアップします。
「それはよくがんばったね」「気をつかったんだね。えらいね。」
小さなことでもよいので積極的に褒めましょう。

まとめ

相手を癒す話の聞き方が必要となる場面は必ず誰にも訪れます。
そんなときには,紹介したポイントを意識して話を聞いてみてください。

ただし,普段の人間関係の中で常に「癒すための聞き方」を実践するのは間違っています。
常に「癒すための聞き方」をしなければ付き合っていけない相手とは対等な関係を結べません。
この聞き方は,聞く方が自分を押し殺し,話し手に一方的に尽くす方法です。
いつも,この聞き方をしていたのでは,聞き手が逆に精神的に疲弊してしまいます。
あくまで,相手が悩みを抱えていたり,精神的に不安定になっていたりするときに限った方法です。

どんなに相手を癒してあげても,相手の精神状況が少しも改善しないようなら,医師の治療が必要である可能性が強いと言えます。

「困ったときはお互い様」

話を聞くことで,人を守ることができるなんて素敵なことだと思いませんか?
あなたも逆に困ったときは,信頼できる周りの人を積極的に頼って話を聞いてもらってください。

話を聞いて人を癒す行為は,一見すると,小さな行動のように思えます。
しかし,癒された心は,新たに他の誰かを癒し,癒しが拡散されていくはずです。
小さな行動ですが,確実に「世界の平和」に貢献する行為です。
*言い過ぎか

ぜひ,あなたの大切な人たちをこの方法で守ってください。

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