娘が誕生したときの興奮と子育てで妻にライバル心を燃やした話

我が子が生まれた日のことは忘れられませんよね。
一生脳裏に焼き付いて離れないでしょう。

現在我が家の娘は6歳。
大変な思いをしたこともありますが,なんとかすくすくと育っています。

娘が誕生してから子育てに奔走した思い出

娘の誕生

誕生の瞬間

妻の陣痛が始まったのは運よく休日。
すぐに産科に行きました。
陣痛が始まってから出産するまでに十数時間かかることもあると聞いていたので,長期戦を覚悟していました。

しかし,実際は陣痛が始まってからわずか2時間で娘が生まれてきました。

立ち会うことはせず分娩室の廊下で待機していました。
「本当に子どもが生まれてくるのか?」
「子どもが生まれるってどういう感じなんだろう?」
ドキドキしながら待っていました。

「カー,キャー,カー!」

なんだかカラスの鳴き声?のような声が聞こえてきました。
赤ちゃんが生まれたのがすぐにわかりました。

その瞬間,今まで感じたことのないような動悸を感じたのです。
それはすさまじいものでした。

全身の細胞が燃え,身体中の血が体から噴き出すのではないかと思うくらいの感覚が駆け巡りました。

涙があふれるように流れてきて2時間止まりませんでした。

それまでの人生の中で感動してきたすべての出来事を合算しても,たった一つ,娘が生まれた瞬間には及びません。

出産時に感動したという他人の話を何度か読んだり聞いたりしたことがありましたが,「あっそうですか,よかったですね。」としか感じたことがありませんでした。
実際は聞いていたよりもはるかに大きく感動することになりました。

赤ちゃんが我が家へ到着

4日間程産科で過ごした後,赤ちゃんが我が家に到着しました。
小さくて,細くて,まさにはかない存在。
「かたときも目を離さずに守らねば」という思いに駆られました。

子育てをしたことがないので,何をするにも初体験。
里帰りをしたり,祖父母に来てもらったりはしませんでした。(いろいろ世話にはなりましたが。)
わからないことは調べたり聞いたりしながら夫婦で協力して必死になりながら毎日を過ごしました。

とにかく目が離せません。

一瞬でも目を離せば,息をしなくなってしまうのではとドキドキしてしまいます。
おむつを取り替えるタイミング,授乳,寝かしつけ,と常に赤ちゃんに寄り添わなければなりません。
夫婦ともに同時に赤ちゃんを見守っていると,どちらも寝不足で共倒れしてしまいます。

役割分担を決め,お互いの体力を残せるように工夫しました。

定時帰宅

赤ちゃんが生まれてからは,仕事をしていても気になって仕方ありません。
早く帰宅するために,仕事を計画的に進め,無駄なく効率的に進めるようになりました。

チームのリーダーだった私は,チーム内での会議を毎週2回程開きます。
それまでは会議に最低1時間はかかっていたのですが,20分で終わらせるようにしました。
詳細な資料と,会議で検討するプランの下地をあらかじめきっちりと作って臨んだため,すぐに終わらせることができました。

常に先を見通し,効率的に仕事を進めることで毎日定時に帰宅することができました。
勤務時間は短縮したのですが,ミスなどはむしろ減らすことができました。

妻に負けたくない!

夫婦で協力して育てていたのですが,時折,育児の方法についてぶつかることがありました。
いつもはぶつかると私が引き下がることが多いのですが,子育てに関してはお互いに譲らず,けっこうけんかをしました。

赤ちゃんはけんかが終わるのを待ってくれません。

けんかをしていても夫婦としてのチームワークを発揮できるようになりました。

この不満を抱こうがケンカをしようが,やるべきことを協力して行えるようになったことは,その後の仕事やプライベートの人間関係にもとても役に立ちました。
人間として大きく成長できた点だと感じています。

子育ての方法について「譲らない,負けたくない」と思うのと同時に,子育て自体についても「負けたくない」と強く思うようになりました。

おむつの取り換え,お風呂,ミルクなど,自宅にいる間はほとんど私が行いました。
なぜそういう思いに至ったのかは謎ですが,「私がこの子を育てる!」と強く思いつめ,「妻には負けたくない!」とライバル心を燃やしていました。

男性は,元来,女性より子育てに関心がないようにできているようです。
例えば,赤ちゃんの画像を男性と女性両方に見せると,女性はその瞬間瞳孔が大きくなります。これは,興味を強く抱いたからです。
それに対し,男性はほとんど変化ありません。
人間と暮らし方の近いサルの子育てについての研究で興味深いことがわかっています。
サルのパパは,あまり子育てに興味がなく,ママにまかせっきりです。
ですが,ママが死んでしまうなどなんらかの理由で子育てができなくなった場合,パパが子育てをしなければなりません。
最初は,いやいや子育てをしだすのですが,3か月もするとまるで亡くなったママと同じように子どもに寄り添いながら上手に子育てができるようになるというのです。
どうやらパパは,一定期間子育てに真剣に関わると,子育てスイッチが入るようです。

子育てスイッチが入った私は妻にライバル心を抱くのですが,どうしても勝つことはできません。
授乳をすることができないからです。

完全母乳ではなく,半分はミルクで育てていたので,ミルクをあげることはできます。

しかし,母乳をあげている妻をうらやましいと思っていました。

どうしても授乳をしてみたいという欲求に駆られ,お風呂に入ったとき娘に私の乳首を吸わせてみました。
「もしかしたら父乳がでるのでは?」
アホですね。でるわけありません。

吸っても何もでなかったため,娘は泣き出しました。
「ごめんなさい。」

生まれる前はどういう心境だった?

子育てに夢中になった私ですが,娘が生まれる前はどうだったのでしょうか。
元々,赤ちゃんを欲しいと思ってはいませんでした。
知り合いからの年賀状に「子どもの写真」がうつっているのを見ても,「なんだこれ?」と思っていました。

いざ,妻が妊娠してからも,赤ちゃんへの関心が持てません。
妻のお腹を見ても「単にお腹がふくらんできた」という乾いた感覚。
妻のおなかが動いても,お腹の中の赤ちゃんの画像を見せられても,「楽しみだねー」と言われても,「あ・・そうだね・・」という具合。

生まれた瞬間から劇的に意識が変わりました。
「かわいい」というよりは,「守らねば」という意識が芽生えた感じでした。

あとがき

我が子が生まれたエピソードを親は熱心に語りますよね。
その熱い思いはなんとなく伝わるのですが,その話を聞かされる側と伝える側で気持ちに結構なギャップが生じます。

親にとっては,我が子の「ちょっとした行動や発言」がものすごい大きなことだったりするのですが,他人からしたらあくまで「ちょっとしたこと」なんです。

ということもわかりつつ,一度は我が子が誕生したときのことを書きたくて書いてしまいました。

最後までがんばって読んでくれた方,とくになんのオチもない話でしたね。
読んでいただきありがとうございました。

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