総合格闘技の誕生と最新の最強スタイル!

最強の格闘技と最新の最強スタイル

格闘技のブームが定期的に来ます。
「Rizin」や「K1」というイベントを中心に近年も盛り上がりを見せています。
格闘技の最強スタイルは時代の流れとともに進化してきました。

では,2020年 現時点での最強スタイルを明らかにしていきます。

最強の格闘技は!

最強の格闘技はこれだ!

最新の最強格闘技スタイルを明らかにする前に,まずは格闘技の種類の中で,どんな格闘技が最強であるのかについて知る必要があります。

1対1で戦うとしたらどんな格闘技が強いのでしょうか。

いくつかのメジャーな格闘技を書き出してみます。

空手
ボクシング
キックボクシング・ムエタイ
ブラジリアン柔術
柔道
レスリング
合気道
相撲
テコンドー
日本拳法・少林寺拳法・中国拳法
総合格闘技

答えは「総合格闘技」です。

総合格闘技は上に書いた格闘技中で最もルールが少なく実戦的な格闘技です。
例えば,空手やボクシングはつかみ合ったり,投げたり,関節技を極めたりすることができません。
実際の戦いでは,つかんだり,首を絞めたり,タックルで倒したりすることが有利に働きます。

「総合格闘技」誕生の歴史

1993年アメリカでUFCという団体が異種格闘技の大会を開催しました。
集められたのは,空手,力士,ボクサーなどの使い手で, 誰もが最強を自負する猛者たちでした。
大会でのルールはいたって単純。反則は目潰し、噛み付き、金的攻撃のみでした。
1ラウンド5分の無制限ラウンド制,階級制無しだったので,体重制限はありません。
この中で優勝したのは,ブラジリアン柔術の使い手「ホイスグレイシー」という細身の男でした。
UFCは現在でも存在しており,格闘技イベント主催者として世界一の規模を誇る団体です。

ブラジリアン柔術を駆使する細身の男がなぜ優勝したのでしょうか。
それは,ブラジリアン柔術が,実際の戦いに一番適したリアルな格闘技だったからです。
この大会以前は,一般人でも格闘家でも,派手なパンチやキックが相手をなぎ倒すようなイメージを持っていました。
しかし,実際の戦いではよっぽどいい場所にタイミングよく打撃が当たらなければ相手はすぐには倒れません。
また,実戦では接近してつかみ合ったり倒されたり倒したりということが起きます。
その場合,打撃の格闘技の試合では,審判から「待て!」と指示が出され,態勢を整え直して競技が再開されます。しかし,実戦ではもつれて倒れても,やり直しはありません。
ブラジリアン柔術は,もつれあい,組み合う瞬間から最大の力を発揮する格闘技でした。
いわゆる組技・寝技という動きです。
組技・寝技は訓練していないと,経験者には絶対にかないません。
ホイスグレイシーは関節技を極めたり,首を絞めたりすることで勝利を重ねました。
この大会以後,世界中の格闘技にパラダイムシフトが生じました。
本当の強さは,ジャッキーチェンのような華麗な打撃技によるものではなく,地味で泥臭い寝技の中にあると皆が知ったからです。
それからは,ブラジリアン柔術の選手だけでなく,他の多くの格闘家がブラジリアン柔術やレスリング,柔道などの組み合い(グラップリング)の技術を取り入れることになりました。
総合格闘技の誕生です。
打撃+投げ+寝技をミックスした総合的な技を駆使する格闘技が世界中に広まったのです。
総合格闘技は,英語で「混合格闘技」Mixed Martial Arts,略称「MMA」と呼ばれています。
総合格闘技が衝撃的な形で誕生してから現在まで30年近くが経ちました。
その間に,総合格闘技も進化を重ねてきました。

現在の総合格闘技で勝てる最強のスタイル

しばらくはブラジリアン柔術仕込みの関節技や,バックチョーク(後ろから首を絞める)により勝敗が決することが多かったのですが,現在では寝技が上手なだけでは簡単には勝てなくなっています。
もちろん寝技を極めた選手で,今でも寝技を武器に勝ち続けている選手もいます。
しかし,現在最強のスタイルとして総合格闘技の世界で活躍しているのが以下の2タイプです。

パウンドスタイル

タックルで相手を倒し,倒れた相手に向かってパンチを打つことでKOするスタイルです。
関節技を狙うと,有利なポジションを崩してしまうことがあります。
よって関節技や絞め技を狙わずに,シンプルにグラウンドでのパンチでKOを狙うのです。
*倒れた相手にパンチを打ち込むことを「パウンド」と言います。

寝技に付き合わないスタンディングでの打撃スタイル

空手やボクシングの試合のように立ったまま打撃で攻めるスタイルです。
しかし,空手やボクシングの選手のスタイルとは大きく内容が異なります。
このスタイルを実行するためには相手に倒されない強さが必要です。
これが簡単ではありません。
レスリングの猛者の爆速タックルにも反応し,ディフェンスできなければなりません。
このスタイルを行うためには,実はレスリングテクニック,寝技のディフェンステクニックを確実に身に着けなければなりません。

私は以前に空手の日本チャンピオンの方とスパーリングをしたことがありました。
何度スパーリングをしても空手家はあっさり私のタックルで倒されてしまいます。
相手は私に攻撃することができませんでした。
このように,打撃を極めただけでは「寝技に付き合わない打撃スタイル」を実践することはできないのです。

最強のスタイルとともに,強さを決める大事なポイントである体重についても触れておきます。

強さは体重に比例する

格闘技の強さは「体重」に比例します。
経験者と素人が戦えば多少の体重差は関係ない場合もありますが,経験者同士では体重差は重要です。どんなに優れた技術をもってしても、10キロ以上体重が離れていれば技はなかなか通用しません。10キロと言いましたが,打撃だけの試合で言えば1キロの差も大きなハンデを生みます。

まとめ

最新の最強スタイルは2種類ありました。
一つ目は,タックルで倒して,倒れている相手をパンチでKOするというスタイル
二つ目は,相手のタックルに決して倒されず,立ったまま打撃でKOするというスタイル

今まで見てきた最強の基準は,1対1の戦いであること,また徒手格闘であることが前提でした。

この基準外で考えるとどうでしょうか。
例えば,格闘技を極めていても,ナイフなど武器を持った相手には勝てません。
勝てる場合もあるでしょうが運次第になってしまいます。

また,複数の相手には基本的には勝てません。
経験者が弱い素人を相手にするなら,1対2,場合によっては1対3でもなんとかなるかもしれません。しかし漫画や映画のようにばったばたと大勢の人を倒すのは無理です。
複数の相手に純粋に徒手格闘で勝とうなどという幻想は抱かない方がよいでしょう。

今回の内容がわかれば,格闘技の試合をより面白く観戦することができるかと思います。
ぜひ参考にしてください。

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