噂の「非接触体温計」を購入し使ってみました

私は格闘技のクラブを主宰しています。
感染症の流行に伴い,感染症を予防するため,練習参加者に検温を義務付けることにしました。
そこで購入したのが「非接触体温計」!!(ドラえもんの声)

勢いで購入したのですが,これってきちんと温度を測れるのでしょうか?

使い心地はいがかでしょうか

非接触体温計

私が購入したのは「エジソンの体温計Pro」という商品。

エジソンの体温計Pro
楽天にある店舗で購入したのですが,1万円以上しました。
ある自治体がこの商品を使用しているという情報を聞き,それならば信用できるだろうと購入しました。

エジソンの体温計Pro

ボタンが4つしかありません。
体温を測るモードと,それ以外の物の温度を測るモードがあります。
気になる誤差は±0.2度以内。

さっそく使ってみます。

「うわっ!はやっ!」

1秒以内で測定結果が表示されます。
90グラムと軽くて,持ちやすく,使い勝手は上々です。

精度を確かめる実験

体温を測ってみました。
電子体温計 36.8℃
非接触体温計 36.6℃

何度か測った結果,電子体温計より0.2℃程低い結果になりました。
ただし,電子体温計は脇で,非接触体温計はこめかみで測定しています。
そのため,違いが生じたのかもしれません。

電子体温計は,何度測ってもほとんど同じ体温を表示します。
一方,非接触体温計は,36.5だったり,36.8だったり,36.7だったりと,まあまあ変動します。
この辺はちょっとマイナスポイントですね。

体温以外の物も測ってみました。

ドライヤー測定結果

ドライヤーを徐々に温めながら,その先端の温度を測ると,徐々に温度が上がっていきました。
体温以外の物を測るモードは0℃から100℃まで測れるようです。便利!

仕組み

非接触体温計はどうやって体温を測定しているのでしょうか。
それはずばり,身体の表面から放射されている赤外線のエネルギー量を測ることで体温を測っています。
非接触体温計自体からは何も発していないのです。

「え?赤外線って,赤外線ストーブや,テレビのリモコンの先っぽからでるものじゃないの?」

正解です!
が,それだけではありません。

なんと,赤外線はこの世のあらゆる物質から放射されているのです。

赤外線が放射されていないのは絶対零度である −273.15 ℃の状態の物です。
温度は物質の分子や原子の振動具合のことです。
冷たい物質の分子や原子は大人しく静かにしている状態。
熱い物質の分子や原子は暴れまわっている状態と言えます。

絶対零度では完全に物質の運動が止まっています。
残念ながら絶対零度の状態を実際に作り上げることはできません。

非接触体温計はあらゆる物質から放出される赤外線エネルギーを検出することで温度を測定しています。
赤外線エネルギーをセンサーで検出し,検出したエネルギーを電気信号に変換し,その結果を温度の単位で表示します。
細かいことを言うと,非接触体温計自体からも赤外線が放出されていますので,そうした他の余計なエネルギーを除外するよう調節しながら対象の温度を表示しています。

参考までに,非接触体温計ではない通常よく目にする体温計の仕組みについても簡単にみてみましょう。

水銀体温計

温度を測る対象と体温計が直接接触することで熱が伝わっていきます。
これを熱が伝導すると言います。
伝わった熱で水銀の温度が上昇し,水銀が膨張することで管の中を上昇していきます。水銀の膨張の度合いに合わせて体温計の目盛りを振ることにより体温が分かります。 (測定時間約10分)

電子体温計

電子体温計は,温度の変化により電気抵抗が変化する温度センサー(半導体素子)の特性を利用して体温を測定しています。
このセンサーは体温計の先に埋められています。
センサーが温められることによって変化した電気抵抗を付属のマイクロコンピュータが温度に換算し温度を表示します。
(測定時間約10分)
*温度が上昇する速度などから実際の体温を予測する仕組みを備えているものは数秒から3分程で測れるものがあります。

赤外線とは

赤外線は電磁波の一種です。

「ん?電磁波って何なんでしょうか。」

電磁波が何なのかは,ここでは深くは触れません。
ただし,電磁波にどのようなものがあるかを以下に示しておきます。

ガンマ線(放射線の一種)
X線
紫外線
可視光線(普通に目に見える光のこと)
赤外線
電波
マイクロ波

電磁波は,波と書くだけあって波の性質をもっています。
波には大波,小波のように大きさ(長さ)があり,これを波長と言います。
電磁波は波長によって〇〇線と分類されています。
最も波長が長い電波は,進行方向に多少の障害物があっても進むことができるため,テレビ,ラジオ,携帯電話を代表とする通信や放送など,長距離に及ぶ情報送信手段として使用されています。
*電波と一口に言っても,波長や周波数により無数の電波が存在します。

赤外線に話を戻します。
目で見える赤い光は,見える光の中では波長が最も長いものです。
これより波長が長い光が赤外線です。赤に見える外側。これは目には見えません。

ちなみに
目で見える紫色の光は,見える光の中では波長が最も短いものです。
これより波長が短い光が紫外線です。紫に見える外側。これも目には見えません。

人には見えませんが,ヘビの一種は赤外線を感じるセンサーを備えており,獲物を捕らえます。
また,チョウなどの昆虫の多くは紫外線を見分けることができます。

赤外線の放射量は物体の温度と関係しています。
温度が高くなればなるほど大量の赤外線を発します。

赤外線は可視光線と同じように反射,屈折,回折などの性質をもっており,遠くの物体からでている赤外線を専用の装置で集光することができます。
この性質を利用して非接触体温計は作られています。

まとめ

非接触体温計(私が購入したもの)は,十分使用するに値するものでした。
多数の人に対し,触れずに体温を測定する必要があるのなら,「買い」です。

もし,人間に赤外線を正確に感じ取れるセンサーが備わっていれば,生存する能力がかなり向上すると思うのですが,進化の過程で身につかなかったのでしょうか。残念です。

空を飛んだり,夜でも遠くまで見通せたり,100メートルを5秒で走れたり,電気を放出したり,身体が切れても再生したりする能力を残してほしかった。

って,サイボーグ009か,そりゃ。

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