あなたの組織は大丈夫?クレーマーに振り回される組織の実態

ごく一部のクレーマーに振り回されている企業や学校,行政などの組織が多くみられます。
政治に関しても,クレーマーの声になかなか勝てません。

どうしてこういう事態が起きてしまうのでしょうか。
また,どうすればこのような事態を防ぐことができるのでしょうか。

クレーマーに振り回される組織

クレームーに負けてしまう原因

実際にあった例を挙げてみます。

事例)大手のスーパーでのクレームに対する間違った判断

一部の客が従業員のマスク着用についてクレームをつけた。
 「客に笑顔を向けるのが店員だろう!声も聞こえづらい。マスクをするのは失礼にあたる。」 ⇒従業員のマスク着用が禁止になりました。

マスクは他人に感染症を移さないにします。
いわば,相手への一種の思いやりのある行為です。
咳がでるならマスクをするのはごく自然なことです。
命や健康面は他のことより優先順位が高いはずです。

「従業員が笑顔で対応するべきだ」
というのは,優先順位の中で上から8番目くらいではないでしょうか。
(私の個人的な感想ですが。)

ここでの客の言い分は「お店側は客の言うことならなんでも聞くべきだ」という大いなる勘違いに基づくものです。

なぜこのようなクレームに間違った対応をしてしまったのでしょうか。

正直,世の中には本当にいろいろな人が存在しています。

すばらしい人格者もいるのですが,一方では「非常に性格の悪い人」「超自己中心的な人」「超絶とんちんかんな人」なども存在します。

これは日本だけ,現在だけのことではなく,世界中どの時代にも共通して言えることだと思います。

問題はそういう人がいるという事実ではなく,そういう人の意見が採用されてしまう点にあります。

個人の人権や考え方は尊重されなければなりません。

しかし,尊重の仕方を間違えてしまうと「とんでもないクレーマー」に振り回され,結果的に集団がとんでもない決定や行動をとってしまうことがあるのです。

個人の意見を尊重しただけでなく,以下のような点もクレームに負けてしまう原因になるのではないでしょうか。

・騒ぎ立てられ,悪い評判を立てられるのが怖い。
・きちんと言い返せずに,クレーマーの勢いに負けてしまう。
・相手の言うことを聞けば,クレームが解決すると考えている。

クレームなのか,参考になるご意見なのかはどうやって見分ければよいのでしょうか。

クレームか意見かの見分け方

判断の基準は「公共の利益に役立つ意見であるかどうか」です。

これが正しい見分け方の基準です。

きちんと周りの人のことも考えて言っているのか,それとも自分勝手な都合や理念,個人の利益だけに基づいて言っているのか,この違いを見極めることは大変重要なことです。

この基準に照らしてみると クレームの半数以上はゴミ箱の中に捨てることができるでしょう。

あとはこの基準をクリア―して残った半分の意見。

ここからは効率性や費用対効果,道徳性,などの観点から検討し,より優れた意見ならば参考意見として取り上げればよいのです。

事例に挙げたマスクの着用禁止に関するクレームは,そもそも公共の利益に反する意見なので真っ先にゴミ箱へ捨てられるべきクレームでした。

たとえそのフィルターを通過したとしても,「妥当性」や「道徳性」に照らし合わせて考えても取り上げてはいけないただのクレームでした。

最終的にクレームに立ち向かうのは組織のトップの役割

「マスク着用禁止」が採用されたということは,最終的には経営陣のトップがそう判断したことになります。

よって,この経営陣のトップの判断力には大いに疑問符がつきます。

企業の目的は利益を上げることです。

売り上げを向上させる能力が高いにこしたことはないのですが,それ以外にも企業には社会的な責任や道徳性が求められます。
また,自社の従業員が安心して働ける職場環境を整えることも求められます。

トップの判断力や道徳心が欠けていると,その下の多くの人間を不幸にしてしまいます。

トップが最終的に判断するまでにはいくつかの段階があります。
各段階において,間違った判断に関わった人間がいるはずです。
どこかの段階で正しい判断力を持った人が間違いを止めることができなかったのでしょうか。

この大手スーパーの社員の中にも正しい判断力を持った人間は絶対にいるはずです。
しかし結果的には正しい判断力を持った人間が生かされていないことになります。
 組織の構成方法や社員の意見の取り上げ方についても疑問符がつくでしょう。

クレームと判断した場合の対応方法

相手の言い分をクレームだと判断した場合は,毅然とした対応をしなければなりません。
クレーマーの言い分を受け入れると,集団内の多くの人たちが振り回され大きな損害を被ることになります。

基本的には以下のように対応しましょう。

・事実確認をして,相手の要求の正当な部分と不当な部分を切り分ける。
・相手の要求が,実際の不手際に見合うものなのかを検証する。
・交渉はクレーマーのペースに流されず,自分たちのペースで行う。
・弁護士など,必要な関係機関と協力して対応にあたる。

まとめ

とんでもないクレームが採用されてしまう裏側。

そこには,

「とんでもないクレーマー」+「とんでもない組織」+「とんでもないトップ」

という三重構造が隠れています。

あなたのいる組織はどうですか?

組織のトップがとんでもない判断をしたときに,それを止める態勢は整っていますか?

 

 

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