アンケート依頼のバイトで起きた嘘のような体験

大学生の頃,かなり多くの種類のアルバイトを経験しました。

好奇心旺盛だった私は,いろいろな種類のアルバイトをしてみたいという願望があり,元々短期間で募集しているバイトをいくつもしてみたのです。

そのうちの一つに「アンケートのモニター依頼」のバイトがありました。

土日二日間で,日給8000円でした。
毎週のように募集があり,1度でも勤務すれば,次回からは電話連絡だけで応募することができました。

<仕事内容>
・ある地域の家を一軒一軒まわり,アンケートへの協力を依頼する。
・1人ひとり担当の地域が割り当てられ,完全に1人で行動する。
<アンケートについて>
・アンケート方式:電話機に小型の機械を設置させてもらい,それを使って回答する。
・アンケート内容:調査会社がさまざまな企業から受けた内容。
 例)自動車メーカーからのアンケート「自動車の好みについて」
・アンケート時間:1回10分程 月に3回程
・謝礼:1回のアンケートで500円
・モニター期間:3か月~1年
*怪しいビジネスや商品の勧誘などではなく,真面目なアンケートです。

ノルマがない!

このバイトの面白いところが,ノルマや獲得目標が一切ないという点です。
二日間で1件もモニターさんをゲットできなくても10件ゲットできても日給は変わりません。
毎回20名程が応募してきて働きます。
上位2名が5件
次の3名が3件
次の4名が2件
次の5名が1件
残りの6名が0件,おおよそ毎回こんな具合でした。

雇い主の調査会社は,けっこうなコストをかけているのに約30件ちょっとしかモニターを得ていません。
よくビジネスとして成り立っているなと,いつも不思議に感じていました。

モニター獲得0件だった人でも,またこの仕事に応募することはできます。
しかし,ほとんどの人は再度応募することはありません。
知らない人の家をまわって,アンケートの依頼をするのは精神的に非常に疲労します。
1日に100件まわるのはざらで,肉体的にもかなり疲労します。
そのうえ1件も獲得できなかったと報告するのはかなりのストレスがかかります。

成果報酬がない!

この仕事はノルマがなければ報奨金などもありませんでした。
良い結果を出しても,出さなくても日給は変わらないのです。

私はこのバイトを数十回行いました。
毎回自分の中でノルマを2件と決め,モニターを2件獲得したら後は仕事をさぼっていました。
土日の1日目に2件得たら,日曜日は適当に電話連絡をするだけで,実際は働かないのです。
人間性が出ますね。
*ただし,この2件のモニターを獲得するのが大仕事なのですが。

このバイトは常連が多くいましたが,みな成果が毎回ほぼ変わりません。
5件取れる人はいつも5件くらい。
1件の人は毎回のごとく1件。

おそらく,私のように,ある程度の結果を出せば後はさぼる人もいれば,毎回全力で取り組む人もいたのでしょう。

なんだか,報酬の与え方と労働意欲の関係の研究が出来そうですね。

興味深いのですが,今回はその話ではなく,このバイトをする中で出会った面白い人たちとの体験を書きたいと思います。

アンケート依頼の仕事で起きた不思議な体験

びっくり体験

子守りを頼まれた

4歳から5歳くらいの娘さんがいる家庭で,お母さんと娘さんが在宅でした。

私がアンケート依頼の話をし始めると,「忙しい」とのこと。
そこであっさり引き下がろうとすると,
「買い物に行ってくるから,娘の面倒をみてほしい」と頼まれました。

考えるよりも先に,「いいですよ」と答えてしまい,約1時間半娘さんの子守をすることに・・・

いくら私が危なげなさそうな雰囲気だとしても,初対面の人に娘の子守を頼むとは・・・
なんだか肝っ玉ママっといった感じで,生きる力の強さを感じました。

その後「アンケートを受けてもいい」と言われたのですが,忙しそうなので,ありがたい申し出をお断りしました。

しかし,アンケートの依頼に行った先で,子守の依頼を逆に受けてしまうとは。
娘さん,かわいらしかったのですが,相手をするのが結構疲れました。

ヤクザに追いかけられた

マンションの一室。
ピンポンを鳴らしても反応がなかったのですが,何度か鳴らし,立ち去ろうとした瞬間。

家の中から「おーい」という声
私「〇〇から来ました。アンケートのお願いで・・」

ガチャ,ドアが開くと,上半身裸,金のネックレスをして入れ墨をしたお方が登場しました。

おそらくヤクザ「なんだ,てめーー」

私「あ・・いや,アンケート・・もごもごもご」

おそらくヤクザ「てめーーちょっとこい!」

私「失礼しましたーー」

めっちゃ駆け足で逃げました。
しばらく缶コーヒーを飲みながら公園で心を落ち着けました。

いやしかし,この人普段どうやって生活費を稼いでいるんだろう。

お見合いをさせられた

アンケートの依頼をお願いすると,家の中で話をじっくり聞きたいとのこと。
恐縮ですが,家の中にあげてもらいました。
20代半ばの娘さんがいるお母さんでした。

アンケートの依頼の話をしようとするのですが,逆にお母さんからいろいろと質問攻めです。
質問に回答していると,何か満足した様子で,娘を紹介したいと言い出しました。
その後は,娘さんが登場して,3人で会話をすることに・・・

けっこうかわいい娘さんです。
お母さん,何を思ったのか娘さんと結婚を前提に付き合うのはどうかと言い出しました。
冗談だと思ったので,「ありがとうございます。光栄です。」と笑って答えました。
すると,冗談ではないようで次第に話に熱がこもっていきます。
娘さんも,けっこう乗り気。

相手の真意を測りかねる中,汗をかきながら二人の話をはぐらかすことに集中しました。

嘘みたいな話ですが,本当に体験したことなんです。
なんか日本昔話とかでありそうな展開じゃないですか?

それにしても,私がこの話を人から聞いたら,うらやましいと感じると思います。
しかし実際は気味が悪くなり,なんとかその場から逃げ出しました。

 

まだまだ面白い体験がいくつかあるのですが,最も印象的だったベスト3について書いてみました。

まとめ

学生時代のアルバイトは,今でもよく覚えています。

遊びたくて仕方のない時期だったので,仕事をしながらも何かその中で楽しみを見つけてやろうといつも思っていました。

これがよくいう「学生気分で仕事をする」っていうやつですかね。

もちろん,仕事なのですから,給与に見合った働きを責任もって行わなければなりません。
しかし,今思い返しても「楽しんで仕事をする」という意識はいいことですね。

今では,「楽しんで仕事をする」という意識はすっかり低くなりました。

「失敗しないように仕事をする」「効率よく仕事をする」ということばかり考えるようになっています。

もちろんそれは大切なことなのですが,「遊び心」が少しエッセンスとして加わると,働き方や人生がよい方向に進む気がします。

仕事でも生活でも余裕をもちたいものですね。

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