うつ病を予防するシンプルな方法

ストレスを原因とした「うつ病」を予防するにはどうすればよいのでしょうか。

だれもが無理なく実践できる方法について紹介します。

うつ病予防のために日常生活で簡単にできること!

うつ病予防法

愚痴を言う

夫や妻,その他の家族,友達など,親しい人に愚痴をいいましょう。
愚痴を言うのはストレス解消にとって素晴らしい方法です。
愚痴を言う中で自ずと解決方法が見つかることもあるでしょう。
愚痴を言うという行為は,甘えるという行為の一つです。
甘え方はいろいろとありますが,ストレス解消にもってこいの甘え方が「愚痴」を吐くことです。

「愚痴など言わず問題と向き合って解決策を考え,実行しろ!」という人も世の中にはいます。
そういう人は「愚痴を言うだけの人は人生の敗者だ!」というような価値観を持っています。
現状,何事も上手くいっているため,そのような発想が生まれるのかもしれません。こうした常に前向きで自分に厳しいタイプの人も,一度大きな失敗をして歯車が狂うと,うつになる可能性を強く秘めています。

愚痴を一方的に言うのではなく,相手の愚痴も同じように聞いてあげましょう。一方的に愚痴を言うと,相手にストレスを生じさせ,親しい人でも離れて行ってしまいます。また,なるべく笑いを交えながら愚痴を言うとストレス解消度がアップします!

運動をする

私は格闘技をしています。
2時間も汗を流せば,たいていの「嫌なこと」「心配事」などは半分くらい心の中から消えています。
筋トレも精神的によい方向に働いているような気がします。
運動によって全てのストレスが解消されるわけではありません。
大事なことは,楽しんでできるレベルで運動を行うということです。
大会での勝利を目指してむきになり新たなストレスをためてしまうようなら意味がありません。
カナダで行われた研究では,1週間に120分の散歩やガーデニングをした人たちは,何もしない人たちと比べ,うつ病発症リスクを63%も減らすことができたと報告しています。
この他にも散歩をして体を動かすことがうつ病の予防に効果的であるという多くの報告がなされています。
激しすぎない運動を,定期的に続けることが良いことがわかっています。

寝る

睡眠はストレス解消にとって1番効果のある行為ではないでしょうか。
肉体的な疲れをとるだけではなく,精神的な疲れも解消してくれます。
すごく嫌なことがあったとき,その後の睡眠中に脳は一生懸命受けたダメージを軽減しようと働きます。
夢の中では困難に打ち勝っている場面を描いたり,失敗したけど周りの人が優しくしてくれている場面を描いたりします。もしくはすごく楽しい場面を描くことによりダメージを軽減します。
眠っている間に,自分で自分を慰めているんですね。

睡眠が不足すると,こうした心の(脳の)修復作業がほとんど行われません。
受けたダメージを引きずることになります。

大きな精神的なショックや,じわじわ続く慢性的なストレスは,脳の一部(海馬など)を物理的に変容させてしまうことが多くの研究から判明しています。
昭和の頃までは,なるべく多くの困難や辛い目に合い,それを乗り越えることが美徳とされる風潮がありました。
確かにある程度は,困難を乗り切り「成功体験」を得ることは脳にとって良い影響を与えます。
しかし,激しいストレスは脳を委縮させてしまうんです。
一度委縮してしまった脳は回復することはありません。
これからもあなた(脳)を根本的に傷つけてしまう環境に変化が見られないようなら,いっそ逃げ出してしまいましょう。

残業続きで睡眠時間がなかなか取れない場合は, 睡眠の質を上げましょう。
ただし,睡眠の質を上げるだけでなく,残業時間が睡眠時間を圧迫している状況をいずれは改善しなければなりません。
自分に合った寝具をそろえてみるのも効果的です。
私は,多少高さのある枕と,お気に入りの毛布を愛用しています。

いろいろさぼる

うつになりやすい人は,何事もがんばってしまう傾向があります。
いつも全力投球をしている様子は糸がピンと張られた状態です。
いつ糸が切れてもおかしくありません。
だらんと垂れた状態にしておけば,引っ張られてもまだ余裕があります。
「がんばるとき」と「がんばらないとき」を分けてみてください。

私は仕事で多大なストレスが多くかかる場合,私生活ではいろいろなことをさぼるようにしています。
一番必要な部分以外は,切り捨てます。
好きなお菓子をむさぼり,コーラを飲み,寝ながら漫画を読みます。
家事だって食事は外食・弁当・冷食で済ませる。
洗濯物は数日分ためて一気に行う。
掃除なんて別にしばらくしなくても死にはしません。

たんまりさぼると,その後あるタイミングで「やる気スイッチ」がオンになる瞬間が訪れます。

そんなに何でも一生懸命がんばらなくてもいいのではないですか?
失敗したって,だめな自分だって別によくないですか?
愛する家族や友人とくだらない話で楽しく過ごせれば十分じゃないですか?
変な言い方になりますが,

「がんばりすぎないように,がんばってみてください。」

*だらしない生活をするのがストレスになるという人はやめておきましょう。

まとめ

うつ病を予防するわかりやすい方法を紹介しました。
単純な方法ですが,うつ病になりやすい人にとっては意外と難しい方法かもしれません。
参考にしてもらえればと思います。

うつ病を経験した方へ
うつ病になったことを恥じる必要はありません。
悪いことでも恥ずかしいことでもありません。
うつ病とは,心(脳)があなたに「がんばりすぎているから休みなさい」というメッセージを送っている状態です。
うつ病はほとんどの場合,いずれ症状が良くなっていきます。
たとえよくならなかった場合でも,それはそれで自分の一つの特性として上手に付き合っていくしかありません。
うつ病を経験したことは,あなたの人生にとって決してマイナスなことばかりではありません。

より「自分の人生を豊かに,楽しくし,他人に対しても優しくなれる」ための経験でもあるのです。

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