迷わず使おうAED!命を救うために知るべきポイント2点

実際の救命救急の際の大事なポイント

私は過去に一度だけ,AEDを実際に使用したことがあります。
そこで学んだことから皆さんにも絶対に知っておいてもらいたいポイントについて紹介します。

AEDの使用

それは以下の2点です。

1.倒れていて,意識がない人がいたらすぐにAEDを用意する。
  (AEDが近くにある場合に限る。)

2.心臓マッサージでは胸部をかなり強めにプッシュする。

救命救急を行った体験から

私がある冬の寒い日,市民体育館のトレーニングルームで筋トレをしていたときのことです。
窓の外から何やら人々がざわついている様子が見えました。

気になって外に出てみると,女性が倒れています。

そばにいる人が「大丈夫ですか?」と声をかけているのですが反応がありません。
私は女性のそばに行くと,意識と呼吸,脈拍を確認してみました。
意識がなく,呼吸もしていなければ心臓に異変が起きたとしてAEDが必要となるためです。
顔をたたいても反応がありません。
呼吸をしているかどうかは判別ができません。
何だか弱々しく息を吐いているような気もするし,息をしていないような気もします。
死戦期呼吸といって,心臓がうまく動かなくなった直後に,あえぐような呼吸をするときがあります。これは呼吸ができていない状態であると判断しなければなりません。)

脈拍も,あるようなないような・・よくわかりませんでした。
女性の体も自分の手も,寒さで血の巡りが悪くなって固くなっており,観察しづらいのです。

AEDを用意したとしても,このように使用するかどうかを迷うことになると思います。
迷ってしまうと1秒ごとに助けられる確率はどんどん下がっていきます。
まさにこのときは生死の境目なのです。

1分くらい迷いましたが,施設にAEDが置いてあることを思い出しダッシュで取りに行くことにしました。

AEDの使用

周囲にいた方にはその間,心臓マッサージをするよう頼みました。
また別の人には救急車を要請するように頼みました。
1分30秒後にはすばやくAEDを倒れている女性の体に装着することができました。
服を脱がし胸部をあらわにしましたが,そんなことを気にしている場合ではありません。
AEDの実行ボタンを押すと,電気ショックが作動しました。

効き目がありません。

再度AEDを作動させました。

効果がありませんでした。

心臓マッサージを行いながら,またAEDを作動させようとしましたが,
確か「ショックは必要ありません。」というようなアナウンスがAEDから流れたような気がします。そこからは心臓マッサージのみを周りの人と順番に行い,救急車を待ちました。

だれもがパニック状態に陥り,あわてていました。
私は救命救急の講習を受けたことがあったため,なんとかAEDの使用を思いつきました。
そうでない人にとってはAEDの使用はなかなか思いつかないのではないでしょうか。

心臓マッサージの実践

心臓マッサージを本物の人に対して実施したのも初めてでした。
心臓マッサージ,これが意外と難しい。
胸部を圧迫しても,血が全身に送られている感じが全然しないのです。
けっこう強めに胸部を押してもうまくいきません。
心臓マッサージをすればするほど,焦ってしまいました。
講習では「骨が折れても仕方ないから強く胸骨を圧迫してください」と言われていました。
骨が折れそうなくらい圧迫するというのは非常に恐怖です。
これ以上強く胸骨を圧迫しようものなら,その圧力で女性を死なせてしまいそうです。
たった十数分の作業でしたが,心身ともに疲れ果ててしまいました。

救急車が到着し,救急隊員がいろいろと対応していましたが,残念ながらこの女性はお亡くなりになりました。

目の前にいながら救えなかったこと,人の死に直面したことにショックを受け,しばらくの間私は精神的に不安定になりました。

倒れて動かない人を見た際に速攻で行うこと

改めて,倒れて動けなくなっている人を見た際に,行うべきことをまとめます。

救命救急時のポイントについての再確認!

1.倒れていて,意識がない人がいたらすぐにAEDを用意し,迷わず使用しましょう。
  1秒でも早く!!

「AEDが必要ないのに,間違って使うと相手の体に悪くないの?」

⇒電気ショックが必要かどうかはAEDのシステムが判断してくれます。
必要がなければ,「必要ありません」というアナウンスが流れます。

*ちなみに,完全に心臓が停止していれば電気ショックを与えても心臓が動きだすことはありません。電気ショックが有効なのは「心臓が動いているがおかしな動きをしているとき」なのです。(全ての種類のおかしな動きに有効なわけではありません。)
使用するかどうか迷っていないで,1秒でも早くAEDを作動させましょう。

2.心臓マッサージを行うときはとても強い力で圧迫しましょう。

初めて心臓マッサージを行う場合は,恐怖との戦いになります。
それでも強く圧迫し血液を体に行き渡らせる必要があります。
胸骨を圧迫してもそれが原因で対象者が死ぬことはないようです。

脳に血液が行き渡らないと脳細胞は4分で死滅していきます。
救急車が来るまでには最低8分はかかるでしょう。
脳細胞は一度死滅すると元には戻りません。
この十数分は大変つらい時間になりますが,生死の分かれ目となる重要な時間です。

まとめ

心臓突然死によりお亡くなりになる方は1年間で約8万人も存在します。
このうち,AEDを素早く使ったり,正しく心臓マッサージを行ったりしていれば助けられたケースも数多く存在しています。

AEDは,装着してしまえば,その後の動きは音声で指示してくれます。
AEDに触ったことがなくとも,よくわからなくとも,とにかくAEDのケースを開けて使用を試みてください。なんとかなります。もちろん,AEDの使用を講習等で体験しておくにこしたことはありません。心臓マッサージの仕方も調べてみましょう。

長い人生の中,一度はAEDが必要となる場面にでくわすことがあるかもしれません。
その際は,おそらく焦ってパニックになってしまうでしょう。
どんなにパニックになったとしても必要な2つの行動を迅速に行ってくださいね!

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